用語解説「ペレニアルライグラス」

ペレニアルライグラス(perennial ryegrass):

(標準和名:ホソムギ(細麦)、学名:Lolium perenne

アジアおよび北アフリカ温帯地方原産とされる寒地型芝草。名称はペレニアル(=多年生)であっても通常は短年性である。

播種から発芽まで、初期生育が非常に速いためにウインターオーバーシーディングや播種による補修によく利用される。播種から発芽を確認するまで通常3~7日程度である。

葉は濃緑で裏側に光沢があり、密度は高く緻密なターフを形成する。踏圧、擦り切れ抵抗性も高く、サッカー、ラグビー、ホッケー等の主に冬季を中心シーズンとするスポーツで利用される。我が国ではJリーグクラスの競技場で、改良バミューダグラスへのウインターオーバーシーディング用の種子としてよく利用されており、学校校庭での利用も盛んである。

ペレニアルライグラスは、低刈にも良く耐え、ゴルフ場のテンポラリーグリーン(仮設グリーン)としても利用されることがある。

概ね刈高25mm以上の場合の刈込み頻度は春季の生育盛期には週1~2回以上の刈込みが望ましい。25mm以下にする場合にはさらに刈込み頻度を高くする必要がある。

ペレニアルライグラスは基本的には株型であり、匍匐茎・地下茎を持たないために、ターフにディボットが出来た際にはそのままでは埋まらない。分げつが増えることによって株は大きくなるが、芝生として利用を考えると1株は大きくても5cm以内の大きさに留める必要がある。こうしたときには追い播きや砂と種子を混合したもので埋めるなどを実施するか、あらかじめケンタッキーブルーグラスのように地下匍匐茎を持つ芝草と混合播種するなどの対応が必要になる。

暑さには非常に弱く、関東地方では盛夏(気温30度以上が継続する時期)に急激に密度が落ち込むことがある。5月頃に生育のピークを迎え、密度が高まり、状態が良くなるのが通常であるが、そのことがこのまま夏を越せるのではないかと誤認する原因になっている。また、寒地型芝草の中では耐寒性も高くはなく、寒冷地では冬枯れしてしまう場合がある。夏場の急激な落ち込みを避け、ターフ全体のクオリティ低下を避けながらペレニアルライグラスからベースの暖地型芝草への緩やかな移行(トランジション)がウインターオーバーシーディングにおける課題となっている。

ペレニアルライグラスの耐塩性は寒地型芝草の中では高いが、動物尿などが直接かかると濃度障害を起こして枯死する。

動物尿によって円形に枯れたペレニアルライグラス

ターフタイプのペレニアルライグラスは、多くの品種が開発され流通販売されている。この中には、環境適応を高めるため人為的にエンドファイト(内生菌)を感染させた害虫が忌避する品種がある。しかしながら、エンドファイト感染品種は動物への毒性を持っているので飼料としての利用はできない。

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