雨の話 7

<酸性雨>
酸性雨は大気汚染物質である硫黄酸化物や窒素酸化物などが酸として降水(雨)
に取り込まれているもの。pH 5.6以下を酸性雨としている。しかし、南極の氷の
分析結果でもpHは5.3であり、人為的な環境汚染のほとんどない地域での雨で
pH5.0からpH5.5程度という測定結果があることを考えると「酸性雨」を人の活動
によるものと断ずるのはかなり微妙だろう。

欧州や北米での湖沼の酸性化は深刻であるというのはかつてはTVなどによく取り
上げられていた。湖沼が酸性化することによる生態系への影響は、湖水のpH低下
によって稚魚が死滅し、大型の魚しか生き残れなくなるなどがある。pH6.5 以下
になると被害が出始め、pH4.5以下になると、昆虫以外はほとんど死滅してしま
う。

日本では降水によって酸性化したと証明された湖沼は見つかっておらず、酸性雨
の発生は減少傾向にあるが、東アジア全域で降水の酸性化がすすんでいるという。

日本はもともと降水量が多く、多くの土壌で酸に対する緩衝能力が高い。土壌は
多くが火山灰土壌で多雨で流されるカルシウムやマグネシウムが不足しやすく、
未開拓では酸性を呈することが多い。

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