【葉身分析センターより 2013年3月29日】 急激な春の訪れ・・・・3月20日付で目標値を『初春』に変更しました。

〔このブログは、東洋グリーン葉身分析をご利用のお客様に2月28日と3月29日にお送りした『傾向と対策』・『葉身分析Weekly!』を、再構成したものです〕

【葉身分析センターより 2013年3月29日】 急激な春の訪れ・・・・3月20日付で目標値を『初春』に変更しました。

前回は東京の大雪に触れましたが、その後も北日本の上空に非常に強い寒気が流れ込み、繰り返し低気圧が通過したため、各地で記録的な積雪。 青森県の酸ヶ湯では積雪が560cmに達する日本新記録。 福島県只見町、岩手県西和賀町、山形県尾花沢市、秋田県の北秋田市阿仁、青森県弘前市、北海道長万部町でも昭和54年に統計を取り始めてから最も多い積雪の記録となったそうです。

写真は、東京は湯島天神の梅の花。 2月8日からの「梅祭り」の前日に撮ったのですが、まだほとんど咲いておらず、やはりこの寒気のせいか、少し遅れ気味の様子でした。

そんなわけで、桜の開花も遅れるかな・・・と思ったのですが、見事に外れました。

東京では3月16日、気象庁が統計を取り始めてから最も早い記録で桜(ソメイヨシノ)が開花、その他の各地でも記録的 な早咲きペース。 ベントグラスの葉身分 析値も一気に動き出しましたので、 目標値を、3月20日にさかのぼって『初春』に切り替えました。

これは、3月に入ってから気温が高い日が多かったためで、特に3月10日には南から暖かい空気が流れ込んだ影響で、 東京都心で最高気温が25.3℃と観測史上で最も早い夏日、国内29地点で3月としては観測史上最高となりました。東京の 1~3 月の毎日の平均気温をグラフにしてみても、やはり今年は3月前半の暖かさが目立ちます。

『初春』の葉身分析目標値は、萌芽や発根に使われるフルクタンが下がり、根の活性上昇に合わせてカリウムが上がります。 し かしこの時期、見逃されがちなのが窒素。 葉が暴れたりグリーンスピードが落ちたりするのを防ぐために窒素を抑えるこ とが多いせいか、この時期には葉身中の窒素が不足している例を多く見かけます。 しかし春先の窒 素不足は、光合成能力の高い元気な植物体が作れず、その後の夏越しに禍根を残すということが、明らかになってきまし た。 光合成に大量に必要な葉緑素や光合成酵素タンパクを確保するために、春早めの動き出しの 時期には、必要十分な窒素が特に必要なのです。

また、急速に春に突入したベントグラスですが、まだ油断は禁物です。 たとえば、2010年にはサクラの開花が3月22日と、やはり比較的早かったのですが、その後4月17日に東京でもミゾレが降るなど、寒の戻りで一部では障害なども生じたと聞いています。冬のはじめに時間をかけて耐凍性を獲得するなど低温に「順化」した芝草は、この春の温度上昇で「脱順化」を起こし、低温に弱い体に戻っています。 今年も今後、急激な温度の上下があった場合に備え、葉身中のカリウムの確保など、低温ストレスへの備えも、お願いします。

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