用語解説「芝生」


芝(しば)、芝生(しばふ):
刈り込んだ芝草で覆われている場所のこと。turf(ターフ)、lawn(ローン)。
もともとは草食動物によって摂食されて、短い状態にある平たんな場所にある草地。そこに存在する草を芝草といい、主にイネ科に属し、多数の草種・品種がある。

「ある程度の広がりをもち、芝草が低く群生し、または人為的に造成され、観賞、休養、運動、地表面保護などの目的で使用される場所」と定義されている。

ターフもローンも同じ意味で使用されるが、ローンは平面的な広がりから捉え、ターフは芝草とその根がつかんだ土壌を一体として立体的にとらえるとされる。ソッド(sod)はもともとターフと同様の意味であるが、現在は主に四角に切り取った芝生(切り芝)を指す場合が多い。

現在では、摂食し糞を落とす草食動物の代わりに、人間が芝生を刈り、肥料をやって維持しているということになる。
維持管理にかなり手間が必要な芝生もあれば、ほとんど何もしなくても維持できる芝生もある。ただし、こうした管理作業の要求量は利用の目的、利用頻度、ダメージの大きさ、管理作業頻度、管理技術レベルに大きく依存するために、単に省力管理が可能だからという理由で芝生を選定すると失敗することが多い。

草種の選定、導入にあたっては注意すべき点が多数存在し、同じ草種・同じ土壌構造でどこでもOKというわけではない。

カテゴリー: 芝生関連用語解説 パーマリンク

用語解説「芝生」 への2件のフィードバック

  1. 追播とオーバーシーディング のコメント:

    意味が同じものかどうか,作業をする場合両方するものかも教えていただきたい。

  2. akishino のコメント:

    追播とオーバーシーディング
    2011年5月9日 8:40 AM
    意味が同じものかどうか,作業をする場合両方するものかも教えていただきたい。

    ご質問ありがとうございます。

    厳密に言うと区別しにくい部分もあるのですが、播種作業(seeding)の中で、追い播き(reseeding)、オーバーシーディング(overseeding)、インターシーディング(interseeding)などの用語は使う種子の種類がどういうものかや変化のさせ方、播種する目的で分類されます。

    目的で分ける場合は、オーバーシーディングが
    「異なる草種の種子を播いてターフの状態を維持・向上すること」、
    追い播きでは
    「作物(芝生)の個体密度を上げるため、あるいは薄くなった芝生を密生させる目的で、再び種子を播くこと」
    になります。

    芝生業界では実質的にオーバーシーディング、あるいはオーバーシードは今現在ある芝生とは異なる種類(草種)の種子を播いて、新しい草種に置き換えることを示します。たとえば バミューダグラスの上から、ペレニアルライグラスの種子を播いて、見た目をペレニアルライグラスのターフにするなどです。

    追い播きの場合は、基本的には、そこにある草種と同じ種類の種子を播くことで、英語ではreseed、reseeding(リシード;リシーディング)を使う方が分かりやすいかと思います。
    ベントグラスのグリーンで薄くなったところに同じ品種の種子、例えば今あるターフがペンクロスでしたらペンクロスの種子を播くなどですね。
    あるいは、「ライグラス、トールフェスク、ブルーグラスの3種混合の芝生が調子が悪そうなので、今のうちにブルーグラスを追い播きして…」のように、いくつかの草種や品種の中に特定の草種・品種を播種する場合に使うこともあります。

    では、インターシーディングと追い播きはどうなのかということですが、インターシーディングは主にゴルフ場のベントグラスグリーンで用いられている用語で、
    「現在あるターフの上から同じ草種の異なる品種の種子を播いてクオリティや密度、ストレス抵抗性などを向上させること」
    になります。
    具体的には、ペンクロスのベントグリーンに、962のような耐暑性ベントグラス品種の種子を播いてクオリティや耐暑性を向上させるなどです。

    「作業をする場合両方するものか」というご質問についてですが、オーバーシーディングやインターシーディング作業では一定以上の面積を対象にする場合がほとんどで、そのなかの発芽や生育のムラを修正するために数週間後に追い播きを行うことはよくあります。

    この場合は、オーバーシーディングされ、ある程度発芽・生育した種子をベース芝に見立てて、オーバーシーディングに使った種子と同じか、近い種子を播くことを意味しています。主に「追いかける」という意味で使っている用語になります。

    なお、この記事を書くために調べていたら気象用語でoverseeding(cloud seeding)があり、人工降雨などを目的に雲の種(シーディング物質)を撒くことも意味しているようです。