【葉身分析センターより 2013年7月13日】 梅雨が明けてしまいました・・・

〔このブログは、東洋グリーン葉身分析をご利用のお客様に7月13日にお送りした『傾向と対策』・『葉身分析Weekly!』を、再構成したものです〕

【葉身分析センターより 2013年7月13日】 梅雨が明けてしまいました・・・

今年は5月30日には例年より早い梅雨入りをご報告したのですが、なんと七夕前の7月6日には、梅雨が明けてしまいました。

今回の梅雨明けは、まず関東甲信が7月6日、九州・四国・中国・近畿・東海が7月8日という変則で、各地とも平年より6~15日早く、東京では昨年より19日、つまり半月以上早く梅雨が明けたことになります。 ちなみに7月6日に東から先に梅雨明けというのは、過去には1959年の例があり、その秋にはあの記録的な伊勢湾台風で、各地に大きな被害が出たそうです。 今日は各地でどんよりと蒸し暑い日になっているようですが、今後も、高温・多湿・大雨・日照不足など、ベントの夏越しには大敵の気象が想定されます。 こんな年には「Defensive(守りの)」・「Proactive(先を見越した)」管理で、ベントグラスを守ることが、より一層求められるのではないでしょうか。

ベントグラスの葉身分析結果を見ても、フルクタンの全国平均値は6月下旬から低い値を示しており、炭水化物収支がマイナス(赤字側)に振れてきていることが分かります。 今のところは例年と同レベルですが、この梅雨明けでさらに低下して、例年より早く一気に底値を打つところが多いかもしれません。

根の活性に左右されるカリウムの方は、本日現在では例年並みか、やや高めの全国平均値です。 ここまでのところ、皆さんが土壌の水はけ≒酸素供給能力を確保し、根の酸欠が防がれてきたことを示すのかもしれません。 しかし今後、ベント体内の炭水化物が足らなくなってくると、根のような「光合成をしない器官」への炭水化物の割り振りが減るので、エネルギー不足による根の活性低下が懸念されます。 引き続き、注視が必要です。

例年では、ベントが秋の復活の兆候を見せるのは9月下旬から10月初旬。 フルクタンやカリウムを目安としたベントグラス体内の炭水化物収支や根の吸収活性の把握と、現場での緻密な観察でベントの状態を把握し、光合成と根の活性の可能な限りの維持を重点とした施肥・耕種作業、そして弱り切ったベントを守る施薬で、これからの長い夏をどうか乗り切ってください。

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