【葉身分析センターより 2014年11月15日】 深まる秋・・・リンで見る『晩秋』の訪れ。

〔このブログは、東洋グリーン葉身分析をご利用のお客様に11月15日にお送りした『傾向と対策』・『葉身分析Weekly!』を、再構成したものです〕

 

【葉身分析センターより 2014年11月15日】 深まる秋・・・リンで見る『晩秋』の訪れ。

 

この記事を書いている時点(11月15日)でのベントグラスの葉身分析値は、前回(10月15日)に引き続き、葉身中のフルクタンとカリウムの上昇が続き、葉の光合成アップによる炭水化物収支の黒字化と、根の生育が進んでいることが見て取れます。 まさしく前回ご紹介した「地上部も地下部も適温」な『秋』の状態です。

この『秋』の次の生育ステージが、『晩秋』です。
温度が下がると、まず適温が高い葉の伸びが止まります。 しかし、根の適温は葉よりやや低いので、水や無機養分の吸収は活発に行なえます。 この「地上部は止まり始めたが、地下部はまだ活動している」時期が『晩秋』で、この時に十分な施肥を行なうことで、葉身中の無機養分レベルを高めることができます。 葉の伸びは止まってもまだ光合成はしているので、葉の無機養分を高く保てば光合成を高め、余剰炭水化物でフルクタンの貯めこみを促進できます。 これが「晩秋期施肥」で、翌年の早春の動き出しの促進につながります。

この温度変化に伴うベントグラスの体内状態の変化をよく表すのが、葉身中のリンのレベルです。 葉身中のリンの全国平均値は例年、春の温度上昇と共に高まり、晩秋の温度低下と共に急落します。 地域別の平均値で見ても、春のリンの上昇は西南暖地から始まり、東北や北海道などは最後になります。 晩秋のリンの低下はその逆で、寒冷地から南に進みます。
夏や梅雨に落ちるカリウムが根の活性を表しているのに対し、ちょうど刈草の出始めや止まりはじめの時期に温度変化とともに急激に変化する葉身中のリンのレベルは、葉の伸びやベントの「動き」をよく反映しているようです。

今年の地域別平均値で見ると、すでに北海道や東北・甲信越では、『晩秋』に入り始めているところも多いようです。 どうかご自分の場の葉身分析値と刈草量を指標に、確実な晩秋期施肥を行なってください。
『晩秋』の具体的な管理作業は、弊社ホームページ「ベントグリーンを夏越しさせる9つのステップ STEP 8【晩秋】来年へ向けた養分貯蔵の促進」をご参考ください。

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