〔このブログは、東洋グリーン葉身分析をご利用のお客様に5月23日にお送りした『傾向と対策』・『葉身分析Weekly!』を、再構成したものです。 最新の情報に比べて半月~1か月程度のタイムラグが生じていることがあります(・・・・詳しくは、こちら)〕
【葉身分析センターより 2016年5月23日 その1】 そろそろ春も終わり・・・準備は万端でしょうか?
前回(4月8日付け)で葉身分析目標値を『春』に変更して以降も、平年よりも高めの温度が続いています。
ベントにとっては順調な春だったようですが、それもそろそろ、終わりのようです。
昨日5月22日には全国929地点中102地点が最高気温30℃以上に。北海道音更町で33.1℃など北海道を中心に20地点で5月の観測史上最高気温を記録したそうです。
東京の日平均気温(上図)を見ても、4月以降は平年より高めに推移、4月中旬以降は茎葉の生育適温に入って来ています。 これに対して夜の最低気温はまだ根の適温上限である18℃には達しておらず、昼間暑くても夜は温度が下がるという、寒地型芝草のベントグラスには、もってこいの天候が続いてきました。
これを受けて、葉身中のリンは順調に高まっており、根の活動に向いた温度帯であることが確認できます。 一方で窒素は以前の年に比べるとやや低めで、抑えめの施肥をしているコースも多いようです。 そのためかカリも低め、フルクタンは比較的高い値を維持しています。
例年ではこのあと6月初旬に、夜温の上昇と降雨の増大によって根の活性が下がり、ベントの生育状態は『梅雨』のステージに入ります。 それまであと半月が、根に負担をかけることができる最後のチャンス。 グリーンの土壌の状態を確認し、もし梅雨と夏を迎えるのに必要な通気性と透水性が確保されていないようならば、必要な更新作業を行なってください。
更新作業に伴い、傷ついた組織の再生のために炭水化物が消費されて、フルクタンは一時的に下がりますが、今の時期であればその後に光合成能力が上がり、フルクタンは再び増加に転ずるはずです。 もしそうならないようなら、炭水化物収支を悪化させる何らかの要因があるはず・・・・ベントが苦しい季節を迎える前に、不安要因は取り除いておいてください。
詳しくは、「ベントグリーンを夏越しさせる9つのステップ」の『STEP2 春』と『STEP3 梅雨』をご参考ください。