「散歩だけが仕事じゃない!」
「散歩が仕事」なんてタイトルだから、額面通り、私の事を、ほっつき歩いているとしか思っていない人もいるようだ。でも、他の事もしているのだ。
たまに、現地調査をしている時の事も書いているでしょ?
それ以外もあるのだ。我社で毎年出している「殺菌剤プログラム20●●」。
これが出てから、10年近くが経過。実は私が試験をしていたのだ。
「えっ? それを聴いたら、信用が出来なくなったって?」
普段、いい加減な事を書いていると、すべて嘘っぽく思われてしまう。因果な商売だ。ま、先に進めよう。
試験地も今年で6コース目だ。なんとなくだけれど、どこのグリーンキーパーからも、煙たがられているような気がしないでもない。
試験をすることが迷惑なのか、それとも現場でウロウロしているのが目障りなのか、はたまた私の人間性なのか・・・。
そういった逆風(?)にもめげず、毎年毎年、手を変え品を変え、いや、薬剤を変えながら続けてきた。
システムとしては、前年やったプログラムの中で一番デキの良かったモノを、新「殺菌剤プログラム」としてスタッフの喧喧囂囂ののち発表している。
で、年が変わると、その新しいプログラムを検証。そのプログラムを若干ヴァージョンアップしたものと、さらに2-3種類組んで試験を重ねる。
手前味噌ながら、年々、薬剤が固定化してくる傾向が・・・。
ただ、新しくて効果の高いものが発売されたり、また、製造中止になったりするものがあるので、当然変更はある。
年々微妙に「進化?」していく。
試験区と、試験区外で、病害発生の有無が見られたときは、試験の醍醐味を感じる。
ほぼ10日間隔の撒布なのだが、撒布予定日のあとに雨が降るという予報だと、延期して、雨上がりに撒布していた。
ただ、お天気ばかりはままならず、撒布間隔が狭まったり、空いたりする。
現場でありがちな事とは言え、きちんとしたデータを出すには、極力、定期撒布するべきだろう。
そういうわけで、雨が降るから延期、というのはやめて、撒布予定日が雨なら、前日に撒布という具合に、ほぼ10日の間隔を守るようにした。
すると、プログラムの違いに関係なく、発病が減った。
考えて見れば当然か。
薬剤撒布後、1週間から10日も経つと、菌類は増加しているとみて間違いは無い。
雨が降れば、発病は促進される。
雨で薬剤が流されて効果が薄れ、発病が促されるというわけではない。
薬剤の効果で菌類の絶対量が減っていれば、雨が降ろうが、発病は抑制されると考えて間違いないだろう。
過去2回ほど、撒布後に土砂降りになった事があったが、それで病気がどっと出たと言う結果にはならなかった。予防撒布は伊達じゃないのだ。
コースによっては耐性がついたから、この薬剤は効かないとボヤかれる。
確かにそういう事もあるだろう。ただ、現場の人間によく聴いてみると、倍率重視の撒布で、投下薬量が少ないという事が結構ある。
それでは、薄過ぎるだろう、効果が望めないだろう、という感じ。(殺虫剤なんかで良くある例だ)。
ケチって耐性をつけてしまっては、却って高くつくではないか。
長い目で見て、どうすることが安上がりか考えた方がイイ。
自分の受け持つコースにとって、効果の高い薬剤を組合せ、ギリギリの間隔で撒布して行けば被害も少なく、経費も少なくて済むだろう。
別にうちの殺菌剤プログラムを押し売りしているわけでは無い。このプログラムの概念を利用して貰えばいいのだ。
毎年、いつ頃、どこにどういう病害が発生するかを把握して、それに対応する薬剤を予防で使えばいいと言う事だ。(好みの薬剤を使えばいい。)
それには、コースをよく見ておかねば・・・。
定時出勤、定時退社、台風だと出て来ないというキーパーも、たまにだけど、いたりする。それじゃ、コースが良くなるわけないよね。
何をするにしても、面倒がっていてはしょうがない。日々、観察、観察。
あ、生きたタマムシを久しぶりに見た!
散歩はいい!