【葉身分析センターより 2016年6月10日】 梅雨入りです・・・・警戒開始を。

〔このブログは、東洋グリーン葉身分析をご利用のお客様に6月10日にお送りした『傾向と対策』・『葉身分析Weekly!』を、再構成したものです。 最新の情報に比べて半月~1か月程度のタイムラグが生じていることがあります(・・・・詳しくは、こちら)〕

 

【葉身分析センターより 2016年6月10日】 梅雨入りです・・・・警戒開始を。

 

気象庁はこの6月4日に九州~東海地方、6月5日に関東甲信地方が「梅雨入りしたと見られる」と発表しました。
平年より3日早く、昨年より2日遅い梅雨入り宣言です。

ここ数年、梅雨入りがはっきりしない年が多く、今年も梅雨入り宣言後しばらくはそれほど雨は多く無かったのですが、じわじわと温度が上がり、ここ数日は昼も夜も蒸すようになってきました。

ベントグラスの生理にとっての「春」と「梅雨」の違いは、雨や曇りの多さもありますが、夜温の上昇のインパクトも大きいと考えています。 今年の東京の毎日の温度を見ても、じわじわと夜の最低気温が上がってきて、根の適温上限に達しつつあります(下図)。 昼間暑くても夜が涼しければけっこう耐えられるベントですが、夜の温度上昇は根の活性にダイレクトに効いてきます。 いよいよ、苦しい時期の始まりです。 葉身分析の目標値も今日付けで『梅雨』に変更しました。 こちらは去年より二日早い切り替えです。 春に比べフルクタンの目標値は下がりますが、炭水化物の急減少はなんとか避けたい時期です。

東京の毎日の気温(2016年4月~6月)

例年では梅雨明けは7月20日ごろ。 これからそれまでの間、はじめのうちは「梅雨寒(つゆざむ)」というくらいで、最高気温はそれほど変わりませんが、夜温は上がり続け、根の活性は下がり続けます。 雨のおかげで土壌水分が多めなので乾燥害は出にくく根の活性低下はわかりにくい上に、地上の茎葉部にはまだほぼ適温なので、一見青々と元気そうに見えるベントですが、根の活性低下と共に葉のカリウムは下がり始め、根でのサイトカイニン生産低下に伴い光合成も落ち始めます。 さらに、曇りや雨の日が多いために光合成は下がり、葉は徒長しやすいという、炭水化物収支悪化の危険性もぐっと上がります。

というわけでこの時期は、徒長を防ぐための葉身窒素のコントロールはもちろん、葉身中のカリの値で根の活性を確認し、必要ならば根への本格的なケアを始めて下さい。

特に、小さくて踏圧のかかりやすいグリーン、表面のアンジュレーションの関係で一部に踏圧が集中しやすいグリーン、風通しが悪かったり排水に問題があって表面が過湿になりやすいグリーンについては、注意深く根の色や長さを観察するだけでは無く、普段より細かく葉身分析を行なって、根の活性を確認するのも一手でしょう。

根の活性低下が見られた時の対応や、この時期のその他の管理のポイントは、「ベントグリーンを夏越しさせる9つのステップ」の『STEP3 梅雨』もご参考ください。

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