雨の話 8

<雨のニオイ>

雨が降る前のニオイというものがある。
これは物資が特定されていてペトリコール(Petrichor)という。ギリシャ語で
石のエッセンスを意味し、特定の植物由来の油成分が粘土質の土壌や岩石に吸収
され、湿度が上昇するとペトリコールが生成されるというものだ。ペトリコールは雨が
降る前に大気中に放散され、雨により流されてしまう。発見者であるベアとトーマスは
1965年にペトリコールが種子の発芽および初期生育を遅らせることを発表している。
要約によれば相対湿度70%以下で暴露期間が2-3週間までは影響は小さいが、それ
以上ではペトリコールの暴露期間が長くなるにつれて生育が低下するようだ。
これが芝生の成長にどの程度影響しているかはよくわからないが、もしかしたら
梅雨期などは影響しているのかも知れない。

一方、雨が降ったあとの匂いというのもある。これはゲオスミン(geosmin)という
アルコールの一種が発するもので「大地のニオイ」というストレートな名称が付いている。
ゲオスミンは藍藻や放線菌から作り出されて、土壌や湖底などにあり、酸性で分解
して無臭になる。雨によって土中から大気中に拡散し、雨上がりのニオイのもとになる。
ゲオスミンはコイやナマズなどの淡水魚のニオイのもとにもなっているが、過去には
都市の水道水のカビ臭さの原因であったという。

http://www.nature.com/nature/journal/v207/n5004/abs/2071415a0.html
http://www.nature.com/nature/journal/v201/n4923/abs/201993a0.html

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